平和の旅へ合唱団

合唱組曲『平和の旅へ』とは


 当時16歳の渡辺千恵子さん(1993年没)は、学徒動員で働いていた工場で原爆にあい、下半身不随の身となります。被爆後の想像を絶する肉体的苦痛に加えて、絶望や虚無感といった精神的苦痛と闘い、母親の励ましを得ながら「長崎の語り部」として生きることに人生の意味を見いだします。そして、車椅子で核兵器廃絶を訴える「平和の旅」に出かけるようになるのです。この曲は彼女の半生を綴った、8曲の合唱と語りからなる約30分の構成組曲です。

 被爆40周年(1985年)に、渡辺さんの証言をもとに長崎で創作(作詞作曲:園田鉄美、松永真司、松下進)されたこの曲は、長崎の「平和の旅へ合唱団」によりこれまで140回以上演奏され10万人近い人たちの耳に届いています。今では渡辺さんに代わる長崎の「語り部」としての役割を担いながら、九州各県でも公演されています。

 また、長崎を訪れた修学旅行生を前にした演奏や、学校での生徒自身による公演も行われるようになってきています。

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